屋上防水改修工事

 2000年1〜3月

 

 屋根の防水工事として一般的に採用されているアスファルト防水は、経年変化で性能が次第に劣化します。このため、製品寿命特性と同様にバスタブ曲線を描き、ある年数を経過すると雨漏りなどの問題が頻繁に生じるようになると考えられます。

 居室の中には居住者の多くの財産があります。漏水により、この財産を毀損したら、また、漏水の跡が室内の仕上げに残るなどしたら、その内装やりかえだけでも多くの費用がかかります。よって、一定年数経たら、屋上防水は全面改修することが、居住者の財産を守る上でも必要と考えねばなりません。また、全面改修であれば、一定年限、防水保証も得られます。

■ 屋根防水に関する「+α」の考え方

SPサーモコート(3年経過、奥の色の濃い部分は雨上がりのため)

 アスファルト防水の表面には、太陽の日射熱からの保護のために、砂付面にシルバー塗料が塗られている場合が多いです。これは日射をよく反射しているように見えますが、凹凸があるため、平面に比較して反射率は低く、また、それ自体の塗膜が薄いため、熱は直接、防水層に伝わることになります。また、経年変化とともに塗料が剥げ落ち、アスファルト表面が見える状態になってきます。このため、このトップコートは3〜5年に一回、塗ることが必要になります。

 一方、集合住宅の最上階の住居は、屋上部分に外断熱されていても、夏は屋上スラブコンクリートが熱せられて、居室内の天井面からの熱放射があります。このため、その下の階の住居に比して室内が暑くなります。

 トップコートには、反射率が高く、それ自体の塗り厚によって、断熱層を形成し、アスファルト防水層の熱上昇を低減させる効果のあるものがあります。(例えば田島ルーフィングのSPサーモコート)

 このような性能を有したトップコートを採用することで、費用の増は少なく、次の効果が期待できます。

  • 最上階居住者の夏場の居住環境を改善、また、エアコンなどの電力消費量の節約が期待できる。
  • アスファルト防水層の夏場の温度上昇を下げることができることから、遮熱を考慮しない仕上げに比して、防水層の劣化を低減できる。これにより、防水層の改修工事のスパンを長することが期待できる。
  • 一般の屋根防水塗装材料だと3〜5年に1度トップコートする必要があるが、断熱性の高いものであれば塗膜が厚いことから、塗り直しの期間を長く設定することが期待できる。

 

● 空中写真(2003年)で見る南流山弐番街 

● 空中写真(2003年)で見る南流山壱番街(参考)