住居の中の安全
家に帰るとホッとするものです。しかし、住居の中には思わぬ危険が潜んでいてケガをすることもあります。そこで少し、住居の各所の安全について考えてみたいと思います。
キッチンの中では火を使いますし、刃物を使います。水洗いで使った水が床を濡らし、滑る危険もあります。このようなことから、キッチンの中は家の中でも色々、怪我をしやすい場所と考えられます。まず、この場所の安全性の確保の理解が最初です。
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- カップボードの扉は開けたら、必ず閉めることを習慣とする。扉を開けたままで頭をぶつけることはよくあり、角でぶつけると大きな怪我となる。
- 食器棚の物を落として怪我をする危険を低減するため、普段使う食器類は棚の低い位置の手の届きやすい場所とし、普段使わない食器類は棚の高い位置とする。(高齢の方は低い食器棚を別に用意することで、食器類を落として怪我をする危険を減らすことができる。)
- 照明に配慮して、料理やものの出し入れの際に手暗がりによって怪我をしないように配慮する。
- 袖口の広い衣類でコンロを使った料理をしない。(袖口に火が移って火傷をする恐れがある)
- コンロの近くの上方にはフキン掛けなどを取り付けない。これにより、これらへの引火を防ぐ。
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お子さんのいる家庭
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必ず、子供の目の高さでキッチンを見て、危険なものがないか、チェックしましょう。
- 刃物が入っている調理台下のキャビネットや引出しは鍵をかけて、子供が不用意に開けて怪我をしないようにする。
- カッターなどの電気調理器具は使った後、必ずコンセントを抜き、子供の手の届かない場所に保管する。
- 漂白剤などの飲むと危険なものは、子供の手の出せない鍵のかかる場所に入れる。
- ゴミ袋など子供が頭に被って窒息する危険のあるものは、子供の手の届かない場所に保管する。
- コンロにかけたフライパンや片手鍋の取っ手に子供が手をかけてこぼして火傷をしないように、調理中の取っ手の方向を子供が手をかけられない方向となるように注意する。
- 包丁などで調理中、子供が急に足元にまとわりついてきて、調理している本人が怪我をしないように、子供をキッチン内に入れないようにする。
- 食卓に垂れるテーブルクロスを子供が引っ張ってテーブルに載ったものを落としたり、熱いものを被って火傷をする危険を防ぐため、テーブルクロスは最小限の大きさとする。
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【リフォームにあたっての留意事項】
キッチンでの作業は、ものを持ってキッチンを出入りしたり、しゃがんで低い位置のものを取り出したりと色々な姿勢をとります。そこでこれらの作業で動きが阻害されないように通路幅(80
cm
以上)を確保するようにします。また、上下方向の動きも他の生活の中の作業に比べて多いことから、頻繁に使うものは使いやすい位置(高さ)に置くことで、取り出す際に誤って落とす危険性を軽減します。また、このようにすれば作業の効率化も図れます。基本的なリフォームにおける注意事項を次に示します。
- 通路幅を確保する。
- コンロの周囲は不燃材料とする。
- 床は濡れても滑りにくいように表面に凹凸がある仕上げとする。
- キッチンとダイニングの境は段差を極力なくす仕上げとする。
- 蒸気のかかる近くにコンセントを設けない
キッチンのリフォームを行う場合、例えばシステムキッチンの機能とか、カウンタートップの材料とかにどうしても心がいきがちになりますが、現在のキッチンの使い勝手のよい面、悪い面を分析してどこをどうしたらよいか、と検討された上で着手されるのがよいと思います。
- 小さな子供が浴槽で水死という痛ましい事故があります。小さなお子さんのいる家庭では、使い終わったら湯船の水を抜くか、あるいは浴室に鍵をかけて子供が入れないようにするかということも配慮する必要があります。
- 怪我をする危険のあるカミソリなどの刃物を浴室内に置かないようにします。
標準の便器は便座だけ取り付けられたものです。小さなお子さんがいる家では安全のために蓋を取り付けましょう。
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