窓の防犯対策

 

窓からの侵入

 玄関ドアに耐ピッキング性能の高い錠が用いられるようになってきたことから、窓を割って侵入する「ガラス破り」による空き巣の被害が増えています。
 窓のクレセントは窓を開かないように固定するもので、鍵の機能はありません。そしてクレセント周囲のガラスを手の入る大きさに割ってクレセントを 開けて侵入するのが「ガラス破り」の手口です。

窓の防犯対策

 ガラス破りに対して完全な防犯対策はありません。しかし、侵入犯の多くが音を気にし、侵入に長時間がかかるようだと諦めるといわれることから、下記の組合せが有効と考えられます。

1. クレセントに錠取付

 既存のクレセントを鍵付のクレセントに交換する方法が最も簡単です。しかし、南流山弐番街のクレセントの取り付け寸法50mm、引き寄せ寸法20mm、クレセント高さ15mmに対して、交換用の鍵付クレセント のクレセント高さは図1に示すように全て20mm以上で適用できません。CUK-800の取り扱い説明書に「20mm以下の場合は受金具NB-12型を使用してください」と記載されていますが、アルミサッシの構造からサッシを外さないと受金具は交換でき ず、DIYでできる範囲を越えます。

超万能クレセント(鍵付)
CUK-800
クレセント高さ:20mm
家研販売(株)
交換用ダイヤル式クレセント 「あかないんです」
クレセント高さ:25mm
鈴商トレーディング
セパ鍵付クレセント
クレセント高さ:20mm
日中製作所

図1 鍵付クレセントの種類

 そこでクレセントは既存のものを使って鍵を外付けする 方法があがってきます。図2に既存のクレセントに外付けの鍵をつけたものを示します。なお、図2の製品には一般の錠を用いたものとディンプル錠 を用いたものとの2種類があります。前者は安価 ですが同じ鍵を使った製品が多数販売されていることから、安全を考えて若干、価格は高くなりますが後者を利用されることをお勧めします。


まどの守くん「窓の鍵」(日中製作所)

図2 クレセントへの外付け鍵

2. 窓用の補助錠取付

 クレセントを開放されても簡単に窓が開かないように補助錠の併用が有効です。開けるとき面倒かもしれませんが、必ず鍵付のものを選択し てください。

3. 防犯フィルム貼付け

 ガラス自体が割られにくいようにクレセント周囲に防犯フィルムを貼ります。最低限、クレセント、補助錠に手が届かない範囲の防犯フィルムのサイズを選びます。 型ガラスに適用できる防犯フィルムが販売されていますので、必ず、この点をチェックします。

4. 窓用警報装置

 ガラスの割れを検出して鳴動する 窓用警報装置を取り付けます。従来のセンサーは窓が開けられたこととガラスが割れたことを別々のセンサーで検出する必要がありましたが、最新の製品はひとつの装置で両方の役割を果たすものが登場しています。下記のEC980を除いて1,500円程度で入手できます。更に安い製品もありますが、電池の使用できる期間が短いことから、必ず、ランニングコストを考慮して選ぶ必要があります。

窓用警報装置 備 考
衝撃検知式スリムアラーム ASA-S11(ELPA) ガラスの破壊・衝撃のみを検知。
衝撃検知式スリムアラーム ASA-S13(ELPA) ガラスの破壊・衝撃と窓の開閉を検知。
スリムアラームU SEC‐500G (オーム電機) ガラスの割れた状態を検出。
スリムアラームU SEC‐700W (オーム電機) ガラスの割れた状態と窓の開閉を検出。
ガラス破壊探知機 窓ガラス用心 EC980
(National)
ガラスの割れた状態を検出。他社に比して高価格。

5. 屋外用センサー・ライト、センサー・アラーム

 窓からの侵入はバルコニーに入ってからとなります。マンションにおける空き巣被害の調査によれば1階や2階の低層階だけでなく、最上階も被害がでています。これは最上階であれば外からの目につきにくいという空き巣犯の考えによるものと思います。このため、バルコニーに人が立ち入ったことを検出して照明が点灯するセンサーライトや、人の動きを検出するセンサーアラームの設置も有効な防犯対策となります。
 なお、窓の外は共用部となり、居住者がアンカーボルトなどを打って防犯設備を取り付けることはできません。このため、換気ガラリ(クーラーの配管を通す孔)の部分を利用して取り付けを行うか、あるいは窓枠の下の水切りのアルミ板の上に両面テープを用いて固定する方法となります。また、電源は換気ガラリの部分を利用して行うことになります。詳しくは管理組合にご相談ください。