『健康を支える栄養学』シンポジウム
NHKスペシャルで平成17年1月9日に「食べて治す − 患者を支える栄養サポートチーム −」が放送されました。これは患者の栄養の状態を改善することで人間の体に本来備わっている自分の体を治そうとする能力を引き出し、改善を早めようという日本の各地の病院でスタートした取り組みを紹介したものです。人間は、植物のように光合成して自分で栄養をつくることはできないことから、生きていくのに必要な栄養は外から取り入れる必要があります。生きていくのに必要な栄養が十分、摂取できていなかったら、当然、何らかの問題が起きることになります。当たり前のことなのですが、問題がすぐには発生しないため、そのことに無頓着できてしまったようです。
そのことを改めて考えさせる「健康を支える栄養学」シンポジウムが平成17年1月30日に流山市文化会館大ホールで開催され、聞きに行ってきました。講演の最初は難病といわれる潰瘍性大腸炎を食事と生活を改善することで直した事例、ご夫婦で取り組まれてご主人の糖尿病を改善された事例などが紹介されました。そしてこの分野の第一人者の佐藤和子医師から「なぜ人は病気になるのか? どのようにして病気はなおるのか?」というテーマで非常にわかりやすく基調講演をしていただきました。事前の申し込みが必要でしたが昼食として「栄養の整ったパーフェクト『お弁当』」が実費で準備されて参加者は実際に食事の内容を体験、そして午後は宮崎県門川町、福島県塩川町、塩川町の市民の取り組み、三重県桑名市、そして流山市での取り組みの事例が紹介されました。加えて会場から「健康を育てる会・群馬」の取り組み、神戸の方の取り組みの紹介がありました。その後、シンポジウムの最後の質疑の中で会場から「近年、サプルメントを取ることが流行っているがこれはどうですか?」という質問があり、佐藤先生から「まず、栄養の整った食事をすることが一番で、どのような栄養の種類と量を食事でとったか理解して、それで不足してしまった分をサプルメントで補うのはよいが、そのような使い方でないのならば・・・」とずばりと回答していただいたのが印象的でした。
教育の現場では、大人になってから食習慣を変えるのは大変なことから、正しい食生活に関する知識を子どものうちから身につけられるようにする『食育』に力をいれられるようになっています。流山市の国保年金課を中心とした「健康を支える栄養学」を全市的に広げる活動は病気で悩まれている方の健康を改善するばかりでなく、病気に対する予防という意味でも重要なもので、今後、市民に浸透していくことが期待されます。
まず、ご自身の食生活や普段の生活などをチェックすることからスタートしてみましょう。ミラーという診断の手法があります。詳しくは流山市国保年金課(TEL 7150-6077)へお問合せください。また、実際に栄養バランスを考えたお弁当を食べてみたい方は平和台近くのハーモニーというお店で取り扱っていますので、こちらもご利用ください。
栄養バランスを考えたお弁当 |
栄養バランスを考えた献立 |
講演に集った皆さん |
佐藤和子医師による基調講演 |
「健康を支える栄養学」を導入の地方自治体や市民グループのポスターセッション |
「住民主体の健康づくり
そのあるべき姿を求めて」と題した事例発表 |
【リンク】
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