第21回住生活月間中央イベン

スーパーハウジングフェアin東京

2009年10月1日〜4日、東京国際フォーラム B1F 

 

 コープ野村南流山弐番街のユニットバスの集中リフォーム工事について、本工事を利用してリフォームをされた方と管理組合の協力で、野村リビングサポート(株)が財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催の「第26回住まいのリフォームコンクール」に応募しました。この結果、「審査委員特別賞」を受賞しました。下の写真は東京国際フォーラムで開催された「住生活月間中央イベント」(10月1〜4日)での展示風景です。
 下記の「審査員特別賞」の講評内容は、審査委員の現地審査で管理組合が質疑応対した時の内容も含まれ、プロの眼にリフォーム・マニュアルと集中リフォーム工事の意義について高く評価いただいたようです。「リフォーム・マニュアルが何らかの形で他マンションにも参考になっていけば」と願います。


会場の全景

第26回「住まいのリフォームコンクール」

右のパネルは入賞者一覧

左が審査委員特別賞

南流山弐番街の審査委員特別賞

(下記が講評)

【講評】

 本作品は、古い大規模マンションの「専有部分」を、共用部分と同様に管理組合主導でリフォームを進めたという珍しい例である。専有部分内の工事であり、常識的に考えれば、不可能に近い難プロジェクトと言って良い。
 本作品の特筆すべきポイントは三つある。一つ目は管理組合の優れたリーダーシップである。多大な苦労があったと想像はできるが、結果として信頼関係を損ねることなくより良い工事が遂行されている。人間的に優れた人たちに恵まれたのかもしれないが、関係者の努力にはまず敬意を表する。
 二つ目は、最初の更新工事に応じた45戸のリフォーム内容、工程、新たな問題点や好ましいリフォーム内容などを、事細かに記録として残し、短期間でマニュアルにまでまとめあげた点である。このマニュアルは、本件のプランに限定した具体的な内容であり、施工の勘どころまで、入居者でもわかりやすく記載されている。工事済み住戸の写真を事例とする参考例を附冊として、ホームページでも公開している(http://www.minami-nagareyama.org/2bangai/)。一般的なマニュアルでは教科書的内容に流されてしまいがちだが、特定の建物に限ればこれだけわかりやすくなりうることを示したこの2冊は、多くのマンション改修工事に非常に参考になる内容である。仮に所有者が変わっても、工事部分の特徴や状態などを安心して引き継いでいけるようになっており、商品として扱われることも多いマンション住戸の「資産価値を下げない仕組み」を含んでいる点でも見るべき価値がある。
 三つ目は、組合と良好な関係を築いてきた管理会社の存在である。まとめ役となっている管理組合のリーダーたちに対し、脇役に徹しながらも献身的にサポートする管理会社が巡り合わなければこのような工事は不可能であっただろう。マニュアルの作成に当たっても自社の利害を超えて協力したと思わせる内容である。
 今後建替えなどを比較選択肢とするような時期が来たとき、あるいは高齢化が進みエレベーターやバリアフリー化の緊急性が高まったときなどまでは予測できていないようであるが、このような体制ならば、不可能を可能にしうるのではないかとさえ感じさせるものがある。
 本来、マンション管理はこのように運営されるべきものであろう。このようなアプローチは直ぐには真似できないかも知れないが、もって範とするに足りるものである。マニュアルの存在も含め、多くの関係者に知ってもらう価値があると判断し、審査委員特別賞として推薦した。

【リンク】