自転車の選び方

 

きれいな乗車姿勢
 ご婦人の「親父乗り」(膝を外側に出すガニ股風の自転車の乗り方)を目にすると「ウ〜ン・・」となってしまいます。
 一方、ペダルが下になった時に足がスッと伸びた状態*となるようにサドル高さが調整 された自転車を乗る姿は、自転車を乗りこなしているようで美しく感じます。(このように調整された自転車は、交差点などで安全に信号待ちするため、お尻をサドルから離して前三角側に移動し て足裏を地面につける、あるいは停車の都度、自転車から降りる乗り方をします。
 「ママチャリ」と呼ばれる自転車に乗ってみて、「乗りにくいなあ」と思ったことがあります。その理由は次のように分析できると思います。
  1. サドルの高さが、停車した時に足が地面につく高さで調整され、従ってべダルが下死点であっても膝の関節が曲がった状態で窮屈。( これが「親父乗り」に)
  2. サドルに全体重を預けるために背筋の姿勢は直立したものになり、手の長さから必然的にハンドルの高さは高く、体に近い位置となるアップハンドルが採用され、窮屈でハンドルに体重がかけられないため、安定性が悪い。

*: 伸びた状態といっても足をピンと真直ぐにした状態ではなく、筋肉が緊張しない範囲で膝が軽く曲がった状態。

 

自転車の選び方と調整

  安価に購入できるママチャリももちろん、存在意義がありますが、長く使っていける「愛車」と呼べる自転車を持つと自転車の楽しみが増えます。自転車のハンドルをふらつかせないで安定して乗るには、若干、前傾して体重を前輪にもかけるのがよいのですが、なかなか気づかれません。また、美しい乗車姿勢は人間工学的にも合理的なもので 、効率よく力を伝えることができます。洋服と同様に体にあった自転車(フレーム寸法)を選ぶことが重要です。
 自転車の基本的な調整箇所はペダルとサドルの距離、サドルとハンドルの距離、ハンドルの高さがあります。足の長さ、座高など個人差が大きく、自転車に書かれた適応身長で自転車を選んだだけでは 、これらの調整がうまくいかない場合があります。自転車専門店で相談して自分の体にあった自転車を選ぶことを勧めます。なお、2つのサイズで悩んだ時、フレームサイズの小さいものを選んだ方が 、後でステムを交換するとかして調整できることからよいと思います。
  平成20年6月に道交法の改正で「乗車用ヘルメット着用努力義務」(児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童・幼児(13歳未満の子ども)を自転車に乗車させるとき、補助イスなどで同乗させるときは、乗車用ヘルメットをかぶらせるように努めなければなりません。)が課せられました。大人も模範となるように自転車用ヘルメット (5000円くらいからあります)を着用しましょう。

大分類 選び方
スポーツ車  ロードバイク、マウンテンバイク(MTB)に大別されます。安価な○○風のものはパスし、名の通ったメーカーのものを選ぶことを勧めます。
 スペンションなしのモデルで6万円位からがスポーツ車選定の目安だと思います。サスペンション付のモデルではその分、コストがかかりますので 高価となります。ある程度の自転車であれば、より良いパーツに交換して自分の自転車に仕上げていく楽しみもあります。
小径自転車  折り畳み自転車とかさなる面もありますが、収納時の省スペース性を目的、あるいはデザイン上のポイントとして小径を選んだものが該当します。ハンドル、サドル、クランクの位置が26"や700Cのタイヤをはいた自転車と同等の位置に調整できるものがよいと思います。スポーツ車ほどの走りは期待しない方がよいですが、20"のタイヤを履いたもので、リアスプロケットの最小歯数は11T、フロントギアの歯数が48T〜52T程度のものが、ある程度、速度もだせて乗りやすいと思います。
折畳み自転車  ハンドル、サドル、クランクの位置が26"や700Cのタイヤをはいた自転車と同等の位置に調整できるものであれば乗車姿勢については不満はでませんが、折り畳み優先のデザインで窮屈な姿勢を強いられるものが多いようです。また、セールスポイントとして変速機をつけているものがありますが、小径の自転車ではギヤ比を最大にしても思うように速度がでず、「単に変速機がついているだけ」となってしまうものあるようです。これらの点を見極める必要があります。

 

折り畳み自転車

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 現在は様々な折り畳み自転車が登場していて、多段変速ギア付のものが一般化しています。折り畳みの目的も持ち運び以外に、その重さを考えると住居内での自転車の収納スペースの低減とわかるのもあります。
 「輪行して出先での機動力アップ」を目的に、私が輪行可能と思える12kg台の20"の車輪の折り畳み自転車を入手しました。以前、使っていた折り畳み自転車と比較して折り畳み機構を含めて頑丈なものとなり、業界の安全基準がしっかりしてきたことを実感しています。
 ハンドルまわりを私の好みの前傾姿勢がとれるように改造しました。この改造の内容などを左記の小冊子にまとめました。ダウンロードできますのでご興味ある方、ご覧ください。

 

【リンク】

 

自転車のフレーム設計

 余談ですが、MTBの登場前はフレームの形状にあまりバリエーションがなく 、一般的な三角形のものか、上の図のようなミキスト車と呼ばれるご婦人がスカートで乗っても大丈夫なようにトップチューブを低い位置に配置されたものしかありませんでした。
 前者ではサドルとトップチューブの距離が短いと格好よく見えないため、体格によって候補の対象となる自転車が限定されたものでした。MTBの普及は 、スローピングプレームという前三角のトップチューブがサドル側に傾斜しているフレームがロードスポーツモデルにも採用されるようになったように自転車のフレーム設計の常識を大きく変えたと思います。このタイプのフレームで あれば、停車時にフレームをまたぐ姿勢がとりやすく、また、サドル高さの調整範囲も広くなります。