大震災の擬似体験
人間は、「怖いこと、楽しくないことは自然と考えない」ようにできています。一方、人間が人間であるといえる重要なものに、過去の経験を知恵として未来に役立てることができることがあります。 『私たちの身近に大きな地震が発生したらどうなるでしょうか?』 その地震の規模によって状況は異なるため、正確な答えを出すのは難しいです。しかし、どのような状況が想定されるか、心の準備をしておくこと、シミュレーションという方法ですが、いざという時に慌てないために役に立ちます。千葉県が大規模地震に見舞われた場合に想定される被害状況については、千葉県総務部消防地震防災課の「災害や事故」でも紹介されています。
■ 周囲の状況 私たちの住んでいる南流山地域は、江戸川の近くにあります。区画整備事業の前は水田地帯となっていました。 ■ 建物大きな地震がきた場合、その強さによって被害の程度は異なります。阪神大震災の建物の被害を見ますと、1階がピロティ(柱だけの広い空間がある状態)の建物で1階が倒壊したもの、建物の途中の構造の変化している部分での壊れたもの、建物の耐震壁、柱のバランスが悪く、壊れたものなどがあります。また、阪神大震災でまるごと倒壊したり、中間階で倒壊したビルのほとんどは、建築基準法の改正前の1981年以前に建てられたものといわれます。いつ建てられた建物かによっても違いますが、必要に応じて検査、耐震補強も検討の必要があります。 ■ 家の中 大地震では、たんすなどの背の高い家具は倒れ、本棚の本は飛び出して散乱し、観音開きの扉の家具は扉が開いて中のものが飛び出して食器などが入っている場合は、それが割れて床一面に散乱し、壁に吊っている額縁などは全て落ちるといった状況が想定されます。そして棚の上に載せたものは落下してくるでしょう。 ■ 建物の外、エレベータ 集合住宅ではバルコニーに物品が置いてある場合、地震によってバルコニーの手摺りの隙間から落ちたり、積み重ねて品物が置いてある場合は、それが倒れてバルコニーを越えて落下してきます。戸建の住宅では瓦の落下などが考えられます。建物の外に出るときはその安全を確認し、ヘルメットやヘルメットがなければ座布団で頭を覆い落下物から身を守るようにしてください。 ■ 電気、水道、ガス、電話大地震が発生した場合、停電、断水、ガス停止、また、電話がつかえなくなることを覚悟しなければなりません。 【電気】 電気は電柱を経由して各住居に送電されます。大地震においては架空線が電柱の倒壊によって切れ、停電となる可能性が高いといえます。大地震による電気系統の損害の範囲は広域となるため、長期間、停電となるでしょう。なお、阪神大震災で電気が復旧した際にショートなどをおこして火災となる通電火災があったことから、必ず、機器はコンセントから抜いておき、ブレーカを切った状態にしておきましょう。 【上下水道】 大地震に際しては、道路の下に埋設された水道管の破損の可能性があります。南流山地域がこのような被害に見舞われる場合、相当の大規模の地震となるため、各地域へ給水車がくるまで何日もかかると考えられます。そして、その間の水は住民自らが蓄えたものでしのぐ必要があります。 【ガス】 ガスは、地震が検知されると緊急遮断弁が作動し,供給が停止されます。埋設されたガス管に破損していなければ、比較的早く復旧することが期待されます。なお、ガスによる二次災害を防ぐために、各ガス器具のコックを閉めて、元栓を閉めるようにします。 【電話】 電話線は、電気と同様に架空線を経由して接続されています。このため、電柱の倒壊により、電話がつかえなくなる可能性が高いといえます。また、最近の電話器は電源の供給がないと使えないものが多いことから、仮に電話線は大丈夫でも停電のために使用できないことになります。 ■ 避難災害時の避難場所として、南流山センター 、南流山小学校、南流山中学校、江戸川河川敷などが流山市から指定されています。しかし、あわてて避難することは木造家屋の倒壊や火事、あるいは堤防の損壊などで危険な場合 もありますので、まず、周辺状況の確認が必要です。近くに広い空き地があれば、周囲の安全が確認されるまで待機して、それから行動することが妥当と考えられます。(大震災が発生した時には行政の機能はマヒ状態になることが想定されます。住民が自ら解決していく必要があります。)
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